我が愛すべきパスタ、ボンゴレ・ロッソ

f:id:swak2415:20181025222742j:plain

 

パスタは本当に奥が深い。だいぶ前にパスタ大全という分厚い本が日本でも出版された。確か講談社が日本版を出したと記憶しているが、なんと、イタリアのある料理家が5,000種類の古今東西のパスタのレシピを編纂したもので、ページを開くと、気が遠くなったものだ。

さて、我が家でもパスタは週二回の定番だ。その中でも一番多いメニューが、シンプルなポモドーロかボンゴレ・ロッソだ。もともとトマトベースが好きなこともあるし、やはり、パスタにはトマトが基本だと私は思う。使用する缶詰の水煮のイタリア産トマト缶は、メーカーやシーズンによって味がまったく違うから、もしスーパーで買ったトマト缶がごきげんでおいしかったら、翌日そのトマト缶を買占めに行った方が良い。フレッシュバジルの準備は?アサリなどの魚介類のトマトソースにはイタリアンパセリも欠かせないので、この2種類のハーブはぜひぜひベランダで栽培しておいて常備したいものだ。

ボンゴレはニンニクとオリーブオイル、鷹の爪とオリーブオイルだけでつくるビアンコ(白)が定番と考えている方も多いかもしれないが、私はどうしてもアサリにトマトの味を仲間入りさせたくて、ロッソ(赤)にしてしまう。たぶん、ビアンコの方が塩加減も含めて料理としては難しいのかもしれないが、私はたいていバケットと鶏もものディアブロかハーブローストを添えてお気に入りの白ワインでこのボンゴレ・ロッソを楽しむ。さらに残ったトマトソースはやさしくてバケットで掬い取る。アサリの旨味が融合して何とも言えないおいしさがある。

さて、このアサリなのだが、実は私は冷凍ものしか使わない。えっ?新鮮がいいでしょ?と叱られそうだが、実はアサリやシジミなどは、冷凍することによってうまみ成分のコハク酸がたくさん生成されるということをご存じだっただろうか?買ってきたばかりのアサリの下準備も重要。多めの粗塩でまずはアサリの殻をボウルに入れ少量の水でよくこすり洗う。驚くほど黒い泥汚れが出るはずだ。良く洗ったら常温の海水より少し薄めの塩水にゆったりと数時間入浴させる。再度汚れや不純物が出るのでよく洗い、死んだ貝があったら取り除き、ビニール袋に入れて急速冷凍。これで下準備は完璧だ。にんにくをたっぷり使いジューシーなトマトに火を入れ甘みを引出し、オリーブオイルと白ワインでふっくらと仕上げるボンゴレ・ロッソ。仕上げにはイタリアンパセリをたっぷりと散らしてください。

そうそう、最後には極上のエクストラヴァージン・オリーブオイルをケチらずに。魔法をかけるように、最後のおまじないのソースとしてかけまわすのを忘れずに。

もちろん、そこはぜいたくにギリシアの極上の一滴「モリア・エレア」ですよね。