秘密の場所、四季。

 

いちょうの落葉が黄色のじゅうたんをつくる頃、冬将軍を連れて12月がやってくる。

寒くて体を丸めても、心は忙しくちょっぴりウキウキしてくる季節だ。

黄昏時。

いつも通る街並にはこの時期、家々の窓や玄関にクリスマスのイルミネーションがだんだんと灯りはじめる。

 

「さて」。

と、今日も私はいつもこの場所に来ていつものお気にいりのベンチに腰をおろす。

ここは私の大好きな秘密の場所。

大きな森のある公園のグラウンドの片隅。

四季折々、私はこの場所に足しげく毎週のように通ってくる。

昼ごはんをもって来る時もあるし、うたた寝をしに来ることもある。

考え事をしたり、音楽を聴いたり、スマホをいじったり。

木枯らしが吹く寒い冬も、桜が咲く春も、緑がまぶしい夏も、枯葉舞う秋も、時間さえ許せばいつでも帰ってくる場所。

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 春

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そして、 秋・・・。

そしてまた冬。

 

 

そういえば、クリスマスにはいつも必ず聴く曲がある。

デヴィッド・フォスターが作った「クリスマス・リスト」という曲だ。

90年代の西海岸の音楽席巻した偉大なプロデューサーであり、作曲家、デヴィッド・フォスターが確かナタリー・コールに書き下ろしたクリスマスソング。

クリスマスが来る前にツリーに願い事のリストを飾る、そのクリスマス・リストに何を書こうかという歌である。この歌では世界中から戦争がなくなりますように、と大人になった主人公が想いを描く。

私のクリスマスにはこの曲は欠かせない。

 

あいかわらず、今年も日々の暮らしや仕事に追われ、何もいいことがなかった年。

何も残せず、残ったのは、後悔と苦い味の回顧。

でも数えるほどだけれども、素敵な風景と場面にも出会うこともできたっけ。

さて、私のクリスマス・リストは?

「来年?ほんの少しだけでもいいから、今年よりもいい年でありますように・・・」

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